2025.06.03 | おたより今月の園だより

6月園だより

世界中に定められたどんな記念日なんかより

あなたが生きている今日はどんなに素晴らしいだろう

「だれに対しても悪に悪を返さず、すべての人の前で善を行うように心がけなさい。

できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい。」

ローマの信徒への手紙12章17〜18節

園長 塚本吉興

私の青春の一曲と言えばTHE BLUE HEARTSの「TRAIN TRAIN」です。サブスクで気軽に音楽を聞くことができなかった時代、レンタルしてきたCDをカセットにダビングして、自分のラジカセで本当に擦り切れるまで聞いたものです。「世界中に定められたどんな記念日なんかより、あなたが生きている今日はどんなに素晴らしいだろう。世界中に建てられてるどんな記念碑なんかより、あなたが生きている今日はどんなに意味があるだろう。TRAIN, TRAIN, 走っていく、TRAIN, TRAIN, どこまでも。」ロックで、ストレートで、青臭い歌詞にとっても共感しました。今でも、大好きな曲の一つです。

日本にも多くの記念日があります。「今日は何の日?」で検索すると、毎日、いろんな記念日があることに驚きます。では、以下の日付は何の記念日でしょう。6月4日は・・・「虫の日」、6月9日は・・・そう、「ロックの日」、6月15日は「オウム(06)とインコ(15)の日」なんだそうです。(ちなみに今年は、6月15日は「父の日」でもありますよ〜!)では、6月19日は何の日でしょう。「ジューンティーンス」の日なのです。これは「June(6月)」と「Nineteenth(19日)」を組み合わせた合成語です。1865年6月19日にアメリカのテキサス州で、これまで奴隷にされてきたアフリカ系の人々が自由の身分であるという命令が出されたことに由来します。最初は、テキサスの教会で祝われていましたが、やがて全米で「解放の日」、「歓喜の日」、「自由の日」として祝われることになり、2021年に米国の祝日となりました。それまで奴隷として、ひどい扱いを受けてきた人々が、自由にされて、人としての尊厳を取り戻す。それは本当に喜びの日であり、自由であることがどれほど大切なのかを考える時です。

『こどもさんびか』に「みんなで平和を祈ろう」という讃美歌があります。いろんな国の言葉で「平和」と繰り返します。「ピョンファ(ハングル)、ミール(ロシア語)、シャローム(ヘブライ語)、ペ(フランス語)、シャンティ(ヒンディー語)、アマニ(スワヒリ語)、カパヤパアン(タガログ語)、パス(スペイン語)、サラーム(アラビア語)、ピース(英語)、サーマ(シンハラ語)、サンティパープ(タイ語)・・・。」聖書の語る「神の平和」は、単に戦争がない状態ではなく、人と人とが心から「シャローム(平安を)」と挨拶できる状態、人が神の愛に気付かされ、神を愛し、他者を愛している状態です。今、わたしたちの幼稚園にも様々な文化的、言語的な背景を持つ子どもたちが通ってきています。大人も子どもも、お互いを大切にし合って、これからもずっと神の平和の中に生きていきたいなぁと思います。その時、6月19日のジューンティーンスを記念日として思い起こすこともなく、「目の前にあなたがいることが素晴らしい」とお互いを尊重し合えるのではないでしょうか

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