2026.06.03 | おたより今月の園だより

6月園だより

「大好き!」って伝える言葉

「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」

ヨハネによる福音書1章1節

園長 塚本吉興

ある日の朝、3人の男の子が集まって相談しています。Aくん「家ごっこしようぜぇ!」、Bくん「おうちごっこをしよう!家を見つけておくれ。」、Cくん「うん、いいねぇ。ハウステンボスおうちごっこをしよう!」そして、3人は仲良く園庭のお山の方に走って行きました。「ハウステンボスおうちごっこ」って何だろうと、とっても興味があったのですが、その時、ドライブスルーの車が来たので、どんな遊びが展開されていたのかを見ることはできませんでした。でも、後で、ハウステンボスという言葉を調べてみると、「ハウステンボス=Huis Ten Bosch」オランダ語で「森の家」という意味だとわかりました。あ、だからお山の方に駆けて行ったのか。毎日、色んなことを子どもたちから教えられます。

別の日の朝、門の前に立っていると、すでに登園して外遊び中の女の子が園庭側から走って来て、「どうも〜!」と声をかけてきます。思わずこちらも「どうもぉ〜!」と漫才師のように答えると、周りにいた何人かの子も「どうも!」、「どうも!」と挨拶をしだし、みんなで顔を見合わせて笑ってしまいました。そこで、この「どうも」というのも調べてみると、辞書にはこうありました。「『どうも』は、使う場面や前後の言葉によって『挨拶』、『感謝』、『謝罪』、『推測』など全く違う意味になる便利な言葉です」とありました。確かに、「どうもこんにちは」、「どうもありがとう」、「どうもすみません」、「どうも分からない」なんて、全く違う意味になります。それを全部略して「どうも」の一言で済む。とっても便利であると同時に、文脈によって意味が変わる言葉というのは、外国語を習得するときには難しいものです。

英語でも似たようなことがあります。「Great!」は「すごい!」と言う意味にも、皮肉で「何てこった!」という意味にも使われます。だから、子どもがテストで100点を取っても、自分で牛乳を注ごうとしてこぼしてしまっても、「Great!」なのです。そういった表現はたくさんあります。だからこそ、言葉そのものだけでなく、表情や、手振り、抑揚などで伝えようとすることが大切なのです。先日、ご両親が聴覚障害を持っておられ、手話が母語という尾中友哉さんという方の講演を聞きました。「聞こえないからこそ発揮できる強み」を重んじた無言語コミュニケーションのエキスパートとして、Silent Voiceという会社を経営されている人です。講演の中で、「自分が伝えたと思ったことではなく、相手が受け取ったことが、伝えたことだ」と言われていて、なるほどと思いました。私たちは日々、たくさんの言葉を発し、たくさんの言葉を聞いています。でも、どれだけコミュニケーションが成り立っているだろうか、どれだけ相手の顔を見て聞く姿勢をもっているか、相手の目を見て伝える努力をしているか、と問われると、会話が共同作業だということを忘れてしまっている時もあるのではないかと思います。

イエスさまは、神さまの言葉、初めにあり、神と共にあり、神であった、と聖書は語っています。神は、旧約聖書の時代には預言者を通してご自分の民に語りかけられました。でも、あまりにも人が神に耳を傾けようとせず、自分勝手なことばかりするので、御子イエスを世に送られたのです。イエスさまは、神が声を大にして「わたしはあなたを愛している!」と叫ばれた「言葉」なのです。

わたしたちがお互いに「大好き!」を伝える言葉はなんでしょうか?「ハウステンボスおうちごっこしよう!」と声をかけること、「どうも〜!」と挨拶すること、一緒にゲラゲラ笑うこと、皮肉でなく「Great!」と褒めること、身振りで、表情で、言葉で伝えること・・・。神さまは、たくさんの素敵な「言葉」をわたしたちに与えてくださっているのです。

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