2025.05.01 | 今月の園だより
5月園だより
「私とダンゴムシとさくらんぼと」
「世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は
被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。」
ローマの信徒への手紙1章20節
園長 塚本吉興
ついに、あの季節がやって来ました!朝、門の前に立っていると手をぎゅっと握りしめた子がいます。「何がはいってるの〜?」と聞くと、嬉しそうにそっと手を開いて見せてくれます。手の中にはコロコロ動くダンゴムシが数匹。時には、動かなくなっているものもあり、「あれ?寝てるのかなぁ?」、「う〜ん、そうだねぇ。ちょっとこの花壇に寝かせておこうか…。」ダンゴムシ受難の季節です。
親子遠足で植物園に行きました。快晴に恵まれ、朝の気持ちの良い空気の中、色とりどりの花や、青々と茂る木々の葉を眺めていると、遠くから聞こえるライオンの「お゛〜お゛〜」という唸り声、リーフブロアーの「ブイーン!」というエンジン音の合間に「ぶ〜ん」というハチの羽音が聞こえてきます。見上げると、クマバチが上の方でホバリングし、ミツバチはせっせと花の蜜を集めています。当たり前ですが、たくさんの木々や草花がある植物園は、小動物や虫にとっても楽園であるのです。忙しく飛び回るハチを見ながら、教会の屋上で養蜂を始めた知り合いの牧師のことを思い出しました。市街地にある教会ですが、ミツバチはどこからか蜜を集めてくるそうです。この植物園なら、たくさんの花の蜜を集められるだろうなぁ、それを植物園印の蜂蜜で売り出したら…なんて、せっかく自然の中に来ているのに、思考が商売の方に向いてしまいます。反省。花の蜜と言えば、小学生の頃、学校の帰り道などに友達と歩きながら、通学路沿いの家の生垣に植えてあるツツジの花をもぎって、蜜を吸っていたことを思い出します。かすかに甘さが感じられるくらいで、あまりチューチューやっていると花の青臭い味にウェッとなります。でも、今考えてみると、他人の家の木です。再び反省。
聖書は「神の永遠の力と神性」が、神さまの造られた世界の中に現れていると教えます。自然の中にいる時、その美しさや豊かな恵みに心が洗われる気がします。花も木も、動物も人も、それぞれが、本当にユニークで、変わっていて、とっても素敵です。金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」という詩の中に「みんな違ってみんないい」という言葉があります。私も、小鳥も、鈴も、それぞれに良さを持っている。神様が造られたものは、みんな違って、そして、みんな素晴らしいのです。
幼稚園の庭では、さくらんぼが色づいてきました。これから、この赤くて小さい宝石のような果物を巡って、カラスや小鳥との戦いが始まります。園長も脚立を出して、ボウル片手にせっせとさくらんぼを集めます。子どもたちは木の下に集まって、「取って、取って」の大合唱。自然の豊かな恵みをほっぺを種でいっぱいにしながら味わいます。「私とダンゴムシとさくらんぼと」。神さまが与えてくださった美しくて、楽しくて、おいしい自然を子どもたち、そのまた子どもたちのために、その先の世代のために、大切に残していきたいなぁと思います。そのために今日できることは何でしょうか?