2022.12.16 | おたより今月の園だより

12月 園だより

「むかし、むかし、ユダのベツレヘムで♪」

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」

(ルカによる福音書2章14節)

園長 塚本 吉興

クリスマスは歌にあふれています。好きなクリスマス・キャロルというのはあるでしょうか。「雪の中を駆けてゆく、一頭立てのそりに乗って、野原を越えて、ずっと笑いながら。尾につけた鈴が鳴る、心がウキウキする、ああ、今夜、そりに乗って、歌って、何て楽しいんだ。」この歌は言わずと知れた「ジングルベル」、クリスマスの代名詞と言える歌ですが、この歌、元々は11月末にアメリカで祝われる収穫感謝祭の歌として書かれたそうです。そう言えば、歌詞のどこにもクリスマス、イエスさまの誕生、ツリー、プレゼントといったクリスマスの定番の言葉が出てきません。でも、今や、クリスマスの歌として世界中で親しまれていますし、サンタクロースのトナカイたちが付けている鈴という意味あいから、クリスマスに欠かせません。

教会では、クリスマス・イヴに礼拝が守られます。福岡中部教会では聖歌隊がこの日のために讃美歌を練習して、美しいハーモニーを響かせてくれますが、多くの教会で讃美歌が夜空に響くのです。でもなぜ、クリスマスと言えば歌なのでしょうか。「きよしこの夜」、「荒野の果てに」、「神の御子はこよいしも」、「さやかに星はきらめき」、「もろびとこぞりて」などなど、クリスマスの歌は高らかに響き渡る歌が多いように思います。そうかと思えば、「ああ、ベツレヘムよ」、「まきびと羊を」、「ひつじはねむれり」などの、しっとりとした讃美歌もあります。クリスマスは喜びが爆発するとき、そして、同時に神の御子の誕生という出来事の前に静かに黙想する時でもあります。それを昔から人々は歌に変えて、讃美歌として歌い継いできたのです。イエスさまが世の光として、お生まれになったのは漆黒の暗闇と静けさの中でした。だから、クリスマスは単に嬉しい時ではなく、静かに思い巡らす時でもあります。

幼稚園では、子どもたちのページェントの練習が始まっています。今年は誰がヨセフになるのかな。誰がマリアになるのかな。ガブリエルは?やっぱり羊飼いは人気かな?子どもたちの聖誕劇はとっても可愛いのですが、時にハッとさせられるような瞬間があります。マリアが「神さまをたたえます。神さまをたたえます。お言葉どおりになるように~♪」と歌い、博士が、羊飼いが、そして、飼い葉おけのイエスさまを取り囲む全ての子どもたちが歌い出す瞬間。「すばらしいホーリーナイト♪」もう、そのことを考えるだけでウルウルきてしまいますが、毎年、本当に感動します。それは、子どもたちの真剣さと、そして、そのまっすぐな眼差し、イエスさまの誕生を心から喜ぶ心に圧倒されるからです。

この一年も、世界では本当に様々な出来事がありました。また、日本でも大きな悲しみやつらい別れがありました。また、わたしたちの幼稚園の歩みも笑顔と涙に満ちて、本当に色々な出来事がありました。それらの事柄を振り返り、思い巡らせる時、やはり神さまがこの幼稚園の歩みの一歩一歩に寄り添ってくださっていたことを思わずにはおれません。子どもたちの演じるクリスマスの出来事を共に味わいながら、喜びをもって讃美の声を上げる時を過ごしたいと思います。「むかし、むかし、ユダのベツレヘムに、一人の幼子、生まれました。すべての人を救う神の限りない愛を、歌いましょう♪」皆さんのご家庭の上に神さまの恵みがありますように。良いクリスマスをお迎えください。メリークリスマス!!!

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