2023.01.24 | おたより今月の園だより

1月 園だより

「クリスマスはいつ終わる?」

「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。

わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」

(マタイによる福音書2章2節)

園長 塚本 吉興

  •  「新年明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。」と年初に会った相手に挨拶をします。でも、ちょっと気恥ずかしそうに、「こんなに堅苦しい挨拶をしてしまってごめんなさい。でも、新年の挨拶は、日本の古き良き伝統だから…。」みたいな感じで肩をすくめながら、「よろしくお願いします。」とモゴモゴ口にしてしまうことがあるのはなぜでしょうか。
  • 新年の挨拶は15日まで、松の内が明けるまでとされています。その後は、正月飾りは片付けられます。6年前まで関西に住んでいましたが、小さな教会の二階が牧師館でした。そして、子どもたちが通っていた幼稚園は、20分ほど歩いた所にある教会の付属幼稚園でした。私は上の子二人を連れて、うちの教会を出発、途中、お寺の墓地の駐車場を通り、小さな神社の裏山から入って本殿の横を抜け、参道の幅広の石のよう階段を駆け下りて、教会の幼稚園に着くのが日課でした。
  • その日も、いつものように家を出て、お寺を通り、神社の横を抜けようとすると、いつもは誰もいない境内にたくさんの人がいます。「あれ?今日は何してるんやろ?」と思っていると、焚き火があり、地域の人たちが正月飾りを火にくべています。「あ、今日はどんど焼きやった…。」神社の脇を抜けていくのに、お参りするわけでもなく、どんど焼きに来たわけでもなく、ただ二人の子の手を引いて、高速で会釈だけはしながら、小走りで行く姿に、おじいさんたちも「最近の若いもんは…。」とあきれられたかも知れません。でも、普段の静かな神社の森は、トトロが出て来そうな雰囲気があって、子どもたちは、「あっちの道から行く!」と神社の道を好んだのでした。石段での競争も、年長組さんになるとこっちがついて行くのがやっとで、子どもたちの成長を日々感じることができる場所でもありました。
  •  お正月が15日まで続くように、クリスマスも25日で終わりではありません。クリスマスの時期は、アドベント(待降節)と呼ばれるクリスマスの4週間前から始まります。幼稚園では、キャンドルに一本ずつ火を灯していき、子どもたちと一緒に「みどりのクランツ(枝を編んだ輪)に明かりがついた♪」と歌って、イエスさまのお誕生を待ち望みます。そして25日、イエスさまの誕生を礼拝でお祝いします。でも、クリスマスは、その後12日間、公現日(エピファニー)と呼ばれる1月6日まで続きます。公現日は、三人の博士が東方からイエスさまを拝みにやって来たこと、幼子イエスが神殿で捧げられたこと、ヨルダン川で洗礼を受けられたこと、カナの町で水をワインに変える奇跡を行われたことを記念する日です。ですから、この日にクリスマスの飾りをしまいます。日本では、1月までクリスマス飾りを残していると、「まだクリスマスやってるの???」となりますが…。この日を祝うために、スペイン語圏では、寝る前、子どもたちが自分の部屋の入口に靴を片方と藁を少し置いて置きます。するとサンタならぬ三人の博士が夜の間にやって来て、靴に贈り物やお菓子を詰めてくれるのです。また、フランスでは、小さな陶器の人形が中に入ったケーキ、ガレット・デ・ロワ、をみんなで食べて、切り分けたケーキの中に人形が入っていた人がその日「王様」または「王妃様」になれるという仕方でこの日をお祝いします。
  • 楽しかったクリスマスもお正月も終わって、3学期が始まりました。特別なお祝いの時はもちろん嬉しく、思い出もいっぱいです。でも、毎日の行き帰り、日々の子どもたちとのやり取りを心から大切にして、一緒に子育てを楽しんで、この年も過ごしたいと思います。今年もよろしくお願いします…。

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