2023.03.02 | おたより今月の園だより

3月 園だより

「わたしたちは小さくても♪」

「二羽の雀が1アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも、一本残らず数えられている。
だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている。」

(マタイによる福音書10章29-31節)

園長 塚本 吉興

卒園の時期になると聞きたくなる歌が何曲かありますが、久しぶりに「友だちになるために」という歌を聞きました。「友だちになるために、人は出会うんだよ。どこのどんな人とも、きっと分かりあえるさ。友だちになるために、人は出会うんだよ。同じような優しさ、求め合っているのさ。今まで出会ったたくさんの、きみと、きみと、きみと、きみと、きみと、きみと、きみと。これから出会うたくさんのきみと、きみと、きみと、きみと友だち。♪」幼稚園で、たくさんの人と出会い、お友だちになりました。これからもずっと友だちだよという思いが伝わってくる歌です。この歌、YouTubeで聞いてみて、ちょっと「あれ?」と思ったことがあります。イントロが、子どもさんびかの「ことりたちは」なのです。なぜでしょうか。ちょっと興味がわいてきました。少し調べてみると、作曲したのは、中川ひろたかさん、1976年に日本で初めての男性の保育士となった人です。作詞は、新沢としひこさん、この方も保育士をされていた経験を持っていて、小さい頃に通った幼稚園がキリスト教主義の幼稚園だったそうです。そこで、新沢さんは音楽と出会い、それから「毎日がミュージカル」というほどに、自分で自由に曲を作ったり、歌詞を書いたりしているうちに、音楽を仕事とするようになっていったそうです。なぜ、「ことりたちは」がイントロとなったのかは、分かりませんが、そのような子ども時代の思い出もこもった遊び心なのかも知れません。ちなみに、このお二人は、養巴幼稚園で運動会の時に体操に使っている「世界中の子どもたちが」の作詞と作曲も担当されています。

さて、「ことりたちは」という讃美歌、「ことりたちは、小さくても、おまもりなさる、神さま」という歌ですが、3節に「わるいことは、小さくても、おきらいなさるかみさま」とあります。私が教会学校に通っていた頃、「悪いことは小さくてもお嫌いなさる神さま」という3節を歌うたびに、悪いことばかりしていた私は実に居心地が悪い思いをしていましたが、最近、この歌の原詩を見つけました。そこには、「A little naughty child that thinks or does the wrong, God loves, and longs, and grieves for all day long.(悪いことを考えたり、したりするいたずらっ子を、神は愛し、切望し、嘆かれる、一日中。)」悪い子でも、神さまは愛し、「ごめんなさい」と戻って来るのを、切ない思いをしながら、待っていてくださる。どうしても3節は小声になってしまっていたのです。でも、4節には「歌の声は小さくても、よろこびなさる神さま」とあって、よく出来た讃美歌だなぁと思います。

「あなたがたは、たくさんの雀よりもはるかにまさっている」というのは、イエスさまの言葉です。そりゃあ当たり前じゃない、と思われるでしょうか。でも、神さまは、そんな一羽の雀、この世において取るに足りない小さな命さえ、大切にしてくださっている。それなら、あなたがたのことは、どれだけ大切に思ってくださっているだろうか、とイエスさまは言われるのです。卒園していく子も、学年が上がる子も、これからもずっと、大切な神さまの子ども、養巴ファミリーの一員なのです。

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