2023.10.17 | おたより今月の園だより

10月園だより

回旋塔にあって、モンキーにないもの

「新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。そんなことをすれば、

革袋は破れ、ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、

新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、両方とも長もちする。」

(マタイによる福音書9章17節)

園 長 塚本吉興

「ある・なしクイズ」というものがあります。「えんぴつにはあるけど、けしゴムにはない。りんごにはあるけど、みかんにはない。トイレットペーパーにはあるけど、ティッシュペーパーにはない。これなーんだ?」答えは、「しん」です。では、養巴ある・なしクイズ!「土管トンネルにはあるけど、あそびちっくにはない。くねくね滑り台にはあるけど、幅広滑り台にはない。回旋塔にはあるけど、モンキーにはない。これなーんだ。」

9月の初めに園庭の遊具の一部が新しくなりました。回旋塔が同じく回転する遊具のモンキーに、ちょっと難易度の高かったうんていがブランコなどと統一感があり、アップダウンのないものに変わりました。安全の観点からも、より子どもたちが安心して楽しく遊ぶことができると思います。特に回旋塔は、こんなにグルグル回る遊具は、もう日本全国探しても養巴ぐらいにしかないのじゃないか、と思うほどクラッシックな遊具で、何度も下の板を張り替えたり、ペンキを塗り替えたりしてきましたが、さすがに交代の時期ということで、新しいものに交換しました。私自身は、回転系の遊具が苦手で、そもそも遊園地のコーヒーカップでも、見ているだけで気持ち悪くなるくらいなので、まだモンキーは試していませんが、下が中心に向かってしぼんでいる分、回旋塔よりは回しやすくなったこともあり、子どもたちは毎日楽しく遊んでいます。

ただ回旋塔は、まさに養巴にしかないシンボル的な意味もあったため、卒園生が遊びに来る時など、皆喜んで恐ろしいスピードで回して遊んでいました。また、少しずつ古い遊具が無くなって園庭の姿が変わっていくことに、私たちも一抹の寂しさを感じることは事実です。回旋塔にあって、モンキーにないもの、それは、何十年にもわたって遊んできた子どもたちの笑顔の思い出なのです。

イエス・キリストは新しいぶどう酒は新しい革袋に入れなさいと教えました。それは、主イエスの新しい教えを凝り固まった古い「宗教」の中に留めることはできない、という言葉でしたが、古いモノの良さを知りつつも、新しいモノの中に新たな何かを作り出して行く勧めとも理解できます。モンキーはこれから「あそびちっく」の一部として、新しく子どもたちの笑顔の思い出を作り出していってくれるのです。こどもまつりをはじめ、色々な幼稚園の行事の持ち方や、お家の方々の関わり方も変わっていきます。でも、今幼稚園に来ているこどもたちが、たくさん笑顔で過ごし、嬉しい思い出をいっぱい作ることができるように、神さまの愛にあふれた保育をお家の方々と一緒に作り上げていきたいと願います。最後に「ニーバーの祈り」を紹介します。「神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えるべきでないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。そして、その二つを、識別する知恵を与えたまえ。」

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