2024.04.08 | おたより

3月園だより

みんなのおうち

「イエスは知恵が増し、背丈も伸び、神と人とに愛された。」

ルカによる福音書2章52節

園長 塚本吉興

西高東低の雲がたれ込める季節、雨が続いています…。つかの間の太陽が雲の間から顔を出した瞬間、子どもたちが園庭に飛び出してきました。一人の子が「あそびチック」に向かって走りながら、他の子に声をかけています。「ねぇねぇ、みんなのおうちをつくろうよ。『入れて〜』って言われたら、みんなを入れてあげようよ。」、「いいよぉ〜。」子どもたちの満面の笑顔を見ていると、心がほっこりしてきます。子どもは本当に優しくて、多くのことを教えてくれます。

「てぶくろ」という絵本を思い出しました。雪の降る森の中を歩いていくおじいさんが落とした暖かそうな手袋に森の動物たちが次々に集まって来ます。最初に来たのは、くいしんぽねずみ、次にぴょんぴょんがえる、そして、はやあしうさぎに、おしゃれぎつね、はいいろおおかみ、きばもちいのしし、とやって来て、最後にのっそりぐままで入ると、手袋はいまにもはじけそう。するとそこへ…。どう考えたって入ることができないような手袋に7匹の森の仲間がぎゅうぎゅう詰めで入っています。いつの間にか、手袋には、家のような入り口も窓もつけられ、煙突からは煙が出ています。楽しい絵本ですが、これが「ウクライナ民話」と聞くと、少し考えさせられます。

最近読んだブログの子育て論に「戦争をするような大人になって欲しくない」という言葉がありました。「なんで戦争なんてあるの?」と子どもに聞かれたら、私たちたち大人はどう答えるのでしょうか。「まあ、色々とねぇ、難しいんだよ。経済に、領土に、資源に、民族に、宗教に、政治、ほーんとにいろんな複合的な原因が重なり合っててね、モゴモゴモゴ…ま、結局誰も分からないんだよ。」とお茶を濁してしまうでしょうか。戦争を始めるのは大人ですが、苦しむのはいつの時代も子どもたちです。今、戦地に置かれている子どもたちに平和がもたらされますように!

神さまが作られたこの世界、本当は、みんなが入れるお家のはずです。どんな人が来ても、「いれて〜」、「いいよ〜」という場所のはずです。聖書は、幼いイエスさまが育って、「知恵が増し、背丈も伸びて、神と人とに愛された」と記しています。子どもは神さまと周りの大人たちの愛を受けて育っていくのです。ですが、大人になったイエスさまは、捕らえられ、鞭打ちたれ、いばらの冠をかぶせられ、十字架につけられて死んだのです。神の御子すら殺してしまうのが、人間の罪深さです。自分と違うものを受け入れない心は私たちにもあります。聖書はイエスさまが三日目に死から復活されたと記しています。そのことを祝うのがイースターです。呪いと憎しみの十字架が、赦しと希望の十字架へと変わったのです。ようはで育った子どもたちが、神と人から愛されて、神と人を愛する人として育っていって欲しいと心から願っています。

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