2024.06.01 | 今月の園だより
6月園だより
「かみさまが造られたこの世界」
「青春の日々にこそ、お前の創造主に心を留めよ。」
(コヘレトの言葉12章1節)
園長 塚本 吉興
「あさそと」で登園してからすぐに外遊びをしている子どもたち。男の子が何人か山小屋の階段の下に集まっています。「あ、ミニダンゴムシだ!」、「こっちに双子がいるよ。」、「オレはまだ誰も見たことのない虫を探してるんだ。」抜けるように青い空の下で小さな昆虫学者たちが、ダンゴちゃんや他の虫を探して、園庭の植木鉢の下をのぞいたり、茂みをかき分けてみたり、地面にぐっと顔を寄せて調べてみたり・・・。虫は不思議です。幼稚園のブックコーナーに最近入った本のシリーズに、虫の超どアップが載った写真の絵本があります。小さな小さな虫に、これ以上は寄れないというくらいズームして、その不思議な姿を捉えています。ページをめくっていくと、「うわ〜!ちょっと無理かも・・・」という嫌悪感が次第に「うわ〜!トンボの目ってこんな風になってるんだぁ。」という感動に変わっていきます。カメラが好きな私は「どんなレンズで撮ったら、こんな写真が撮れるんだろう・・・。」とそっちにも興味が浮かんできます。身近にいる虫ですが、芋虫が蛹になってチョウチョウになることや、ダンゴムシが脱皮すること、アリが綺麗な列を作って食べ物を巣に運ぶこと、クモが美しい巣を作ること、蚊が人を察知して近づいてくること、すごいなぁと思わされることばかりです。
最近読んだ本に『ヒルは木から落ちてこない』という三重県の小中学生でヤマビルをこよなく愛する子どもたちが3年にわたって研究した成果をまとめた本があります。通説では、山に行くと木の枝からヒルが降ってきて血を吸われることがあるから、首にタオルを巻いておくように、なんてことを言われます。でも、この子どもたちは、「本当にヒルは木から落ちてくるんだろうか」、「ヒルの木登りなんて見たことないなぁ」という疑問から始めて、様々な実地の実験や観察を通して、首元で人の血を吸うヒルも、実は足元から上ってきたものだということを発見したのです。自然は不思議に満ちています。そして、子どもたちは、そんな不思議を見つける名人なのです。
聖書には「あなたの青春の日々にあなたの創造主を覚えよ。」と記されています。他の翻訳では「あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ。」という言葉です。神さまがすべてのものを造ってくださった。このことを子どもたちが柔らかい心で吸収するとき、園庭に咲き誇る花々、不思議な虫たち、自分の体さえも、本当に心を込めて造られた美しい存在であることに気付かされるのです。
先日、幼稚園の同窓会が開かれ、100人くらい卒園児の小中学生が集まりました。4年生までは、「園長せんせー!ブランコ押して〜!」と幼稚園の時と変わらない声で呼びかけてきますが、5年生くらいになると、「あ、こんにちは。お久しぶりです。」とピョコっと頭を下げて挨拶してくれます。一人ひとりが大きく成長していることを喜びながら、ここで育った子どもたちがいつまでも神さまのことを忘れずに、「守ってくれる神さまもいつもいっしょにいてくれる♪」ことを知っていて欲しいなぁと思いました。幼稚園の先生たちは、いつも養巴の子どもたちのことをお祈りしています。