2024.12.03 | 今月の園だより

12月園だより

「おともだちといっしょに♪」

「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。

わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」

(マタイによる福音書2章2節)

園長 塚本 吉興

「園長先生、わたしね、クリスマスが待ちきれないの。」ブランコを押していると、一人の女の子がそっと教えてくれました。「え〜なんで?」(サンタさんが来てくれるのが楽しみなのかなぁ、何かおもちゃを買ってもらう約束しているのかなぁ…なんて考えながら。)と聞くと、「あのね、クリスマスに、おともだちとお菓子のお家を作るの。」と。「へ〜、ああ、クッキーで作るんだね。楽しみだねぇ〜。」子どもが純粋にクリスマスを待ち望む思いに心を洗われた気がしました。

12月に入ると一気にクリスマス気分が高まります。あちこちでクリスマスマーケットが開かれ、煌びやかなイルミネーションが瞬き、ビアガーデンならぬホットワインガーデン(?)が盛況です。

百貨店ではブラックフライデーセールから始まって、クリスマス商戦に突入しており、「○○%OFF!」という数字がその上に書かれた「Merry Christmas!」という文字を圧倒しています。クリスマスは一年で一番商品が動く時でもあり、アマゾンの配達の方もとっても忙しそうです。また、忘年会なども入ってきたりして、大人にとってのクリスマスは、お金がかかり、体重が気になり、忙しく過ごす時期なのではないでしょうか。でも、子どもにとってのクリスマスは、楽しく待ち望む時なのです。

幼稚園で、子どもたちはページェントをそれぞれのクラスで行います。「遠い昔、イスラエルの国、ベツレヘムで、救い主イエスさまがお生まれになりました・・・」わたしの通った幼稚園は、教会附属の杉並幼稚園という所でした。年長組がページェントをしますが、シャイなわたしは、自分のやりたい役を先生に伝えることができず、最後に残った博士役をやることになりました。黄金を抱えて馬小屋に行き、イエスさまの飼い葉桶の前に宝物を置いて、ひれ伏して拝みます。ただただ、恥ずかしかったのを覚えています。東方から来た博士たちは、人々の想像力を掻き立ててきました。色んな絵画などを見ると、博士の一人はアジア、一人は中東、一人はアフリカから来たように描くものも多い気がします。そう考えると、別々のところから来た博士たちが、それぞれに明るく輝く星に導かれて、ベツレヘムでお生まれになったイエスさまのもとにやって来たことになります。住む場所も、文化も、言葉さえ違う者同士が、イエスさまを拝むという一つのことのために集められたのです。

世界では、今も争いがあり、分断があります。クリスマスに「平和の君=プリンス・オブ・ピース」であるイエス・キリストがお生まれになったことの意味が今ほど大切な時はないのではないかと思います。民族や文化や宗教の違いを超えて、皆が「おともだちとお菓子のお家を作る」ことを楽しみにできるような時、それがクリスマスなのではないでしょうか。暗闇に灯された光、争いの中に来られた希望、わたしたちの心の暗がりにも主イエスは明るさと暖かさをもたらしてくださいます。

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