2025.07.01 | 今月の園だより
7月・8月園だより
「夏だ!休みだ!冒険だ!」
「主御自身があなたに先立って行き、主御自身があなたと共におられる。主はあなたを
見放すことも、見捨てられることもない。恐れてはならない。おののいてはならない。」
(申命記31章8節)
園長 塚本 吉興
子どもたちが半袖半ズボンに虫よけリングやシールをつけて登園してくるようになると、いよいよ夏の到来です。夏と言えば、海に、花火に、かき氷、プールに、スイカに、ポッキンチュー(関西ではチューペットと呼んでいたので、福岡に来て「ポッキンチューって???」となりました)です。そして養巴幼稚園の年長組さんは、楽しみなお泊り保育があります。ゆり組のお部屋に「おとまりかいぎ」と書かれた模造紙が貼ってありました。少し盗み見ていますと、「なにをする?」という問いの下に子どもたちのアイデアが書き込まれています。「じぶんたちでりょうり、たけのこほり、いもほり、みんなではなび」というものや、「マックにいく、ほっかいどう、ラーメンを食べる」というものもあって、思わず笑みがこぼれました。夏は、冒険の時であり、ドキドキの新しい経験をたくさんできる時でもあります。
冒険と言えば、わたしの世代はファミコンのドラゴンクエストを思い起こすのですが、聖書には、ユダヤの民が、モーセに代わる指導者であるヨシュアに率いられて、「乳と蜜の流れる約束の地」に旅をしたことが記されています。神は、ヨシュアに約束されました。「主はあなたを見放すことも、見捨てられることもない。恐れてはならない。おののいてはならない。」聖書では、時々、「恐れるな」という言葉が出てきます。天使ガブリエルがマリアにイエスの誕生を伝えた時にも、天使は「恐れることはありません♪」と告げました。羊飼いたちに喜びの知らせを告げた時も「恐れることはない」と天使は言ったのです。この言葉は通常であれば、人が恐れて当然の状況の中で語られる、神の「大丈夫。怖くないよ。」という励ましと慰めの言葉です。その根拠は、神さまが先だって行き、共にいてくださるからです。
小学生の時、シースカウトに入っていました。普通のボーイスカウトの制服はオリーブ色の半袖・長ズボンですが、シースカウトは海が活動の場であったので、水兵のような白の半袖・半ズボンでした。しかし、これが、スカウトが集まる場所に行くと、恥ずかしくてならないのです。シースカウトであっても、時々は、山登りもします。その時も、リーダーの後に従って、登山道を一列になって、当時流行っていた「ギンギラギンにさりげなく♪」の替え歌「きんぴらごぼうが食べたい、だけど10円足りない♪」を歌いつつ、フーフー言いながら登りました。何とかその晩の野営地にたどり着き、テントを張り終わった頃には日が暮れています。夕食を食べた後、火を囲みながら、しばらくゲームをしたりしてから、テントに入ります。ところが、同じテントの下級生が泣き始めるのです。「お母さんに会いたい…来るんじゃなかった…ぐすん…」こちらは、6年生。「大丈夫だよ。明日も楽しいよ。もう、早く寝よーや。」と言いながら、こっちも段々寂しくなってきて、結局そのテントの中は、みんなべそをかきながら寝入ったのでした。
わたしたちは、時に「大丈夫だよ。心配しないで。」と声をかけてくれる存在を必要とします。その支えがあるからこそ、勇気を出して新しいことにチャレンジできるのです。大人にとっては普通のことでも、子どもにとって初めてというのは、恐いものです。初めてプールに飛び込んだり、馬に乗ったり、焼きマシュマロを食べたり…、中々一歩を踏み出せないこともあります。そんなとき、「大丈夫だよ」と声をかけ、子どもたちのかけがえのない、たった一度しかない「初めての〇〇」を一緒に楽しみたいですね。